19.May.2022

ROCKSMITH+開発日記 – 2022年5月後半:レッスン

開発日記 - レッスン

Rocksmith+のレッスン

ギターやベースのレッスン教室に入会すると、たいていの人は、椅子に座りながら講師から知識や、練習、フィードバックを与えてもらうものだと思うでしょう。知識は、講師が見せてくれるコード、テクニック、リフから得られます。練習は、そうした知識を吸収して自分の楽器で再現するときに行います。そして、フィードバックは、あなたの演奏に対する講師の回答です。

私は10年以上もギター、ベース、ピアノの講師として仕事をしてきましたが、レッスンの中では必ずこの知識・練習・フィードバックのループを行いました。Rocksmith+のレッスンは、知識・練習・フィードバックと同じ体験を提供することを目標としています。各レッスンは、プロの音楽講師による解説動画から始まります。動画では、まったく新しいスキルや、すでに学んだスキルの発展形など、音楽のレパートリーに新たな道具を加えるための知識を得ることができます。これらのレッスンは、コードの形から、弦を押さえるテクニック、様々なピッキングスタイルなど、あらゆることを網羅しています。

その次は、学んだばかりのスキルを短い曲で練習してもらいます。音楽用語では、こうした「スキルのための曲」を一般的に「エチュード」と呼んでいます。ですが、この用語は少し堅苦しいので、私たちは「プラクティストラック」という語を採用しました。初心者・中級者・上級者のレッスンすべてにレッスン動画とプラクティストラックが用意されており、学んだスキルを曲の中で練習できるようになっています。

プラクティストラックと曲の違いは、プラクティストラックではマスターレベルを下げることができないということです。なぜそうしたのか? それは、すべてのプラクティストラックが、過去のスキルと新しいスキルの適切なバランスを取れるよう、念入りに作られているからです。マスターレベルを下げられるようにすると、丹念に配置されたノートやテクニックがノートウェイから消えてしまい、スキルのバランスが取れなくなってしまいます。難しいと感じた場合には、プラクティストラックの速度を調整したり、リフ・リピーターで複雑なフレーズを特訓したり、ノート・バイ・ノートで細かい部分に集中したりできるようになっています。

最後の要素はフィードバックです。私たちの音検知担当チームが素晴らしい仕事をしてくれたおかげで、プレイヤーの演奏を正確に評価できるようになりました。各プラクティストラックの目標は、100%の速度で80%の正確さを達成することです。お望みならば、100%の正確さを目指していただいても構いません。各プラクティストラックの後で、速度と正確さに関するフィードバックが得られます。苦戦した箇所はフレーズバナーでわかるので、リフ・リピーターや、曲の速度設定、ノート・バイ・ノートなどの練習ツールを活用し、そうしたフレーズを集中的に特訓してスキルを磨きましょう。

レッスンの種類

多種多様な背景、スキルレベル、音楽の好みを持ったさまざまな人々のためになるようなレッスンシステムを作りたい、というのが私たちの願いでした。そのため、Rocksmith+のカリキュラムは、演奏する際に最も重要なことすべてを、可能な限り最高の順番で、数多くの音楽ジャンルによって学んでもらうことを目的としています。

ギターとベースの基本レッスンは、基礎を重視しています。例えば、開放弦、押弦音、スライド、ハンマリング・オン、プリング・オフなどです。ギターに関しては、メジャーコードのCAGEDやマイナーコード(C、A、G、E、D、Em、Am、Dm)をこのセクションで扱っています。

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ベースの中級レッスンでは、サムピングや、プル、ウォーキングベースライン、ベースコードなどを扱っています。ギターの中級レッスンは、リズムとリードという2つのカテゴリーに分かれています。リズムのレッスンには、バレーコードや、ピッキングのパターン、フィンガーピッキング、三和音の形などの概念的なことが含まれています。リードのレッスンでは、好きなメロディーラインやギターソロの演奏に必要なことをすべて学ぶことができます(例えば、チョーキング、ビブラート、ハーモニクス、タッピングなど)。

最後に、上級のスタイルレッスンについてお話します。これらのレッスンは、単一のテクニックではなく、あるスタイルの音楽を演奏するのに必要なスキルセットを学ぶためのものです。クラシックロック、テキサスブルース、ポップパンク、インディーフォークなどのレッスンをすでに作成していますし、今後もスタイルレッスンをたくさん追加していく予定です。

「スキルセット」の中身についても解説しておきましょう。例としてテキサスブルースを取り上げます。リードアレンジには、開放弦とE7(#9)のコードを使うブルース的なリフと、チョーキング、ハンマリング・オン、プリング・オフ、ダブルストップ、スライド、指板全体でのトランジションなどを行うソロが含まれています。リズムアレンジでは、E7(#9)、A7、B7といった複数のコードを、開放弦とバレーコードの両方で、さまざまなピッキングパターンで弾いてもらいます。ベースアレンジでは、シンコペーションと半音階経過音を完備した、テキサスブルースに適したウォーキングベースラインの弾き方を学べます。

制作

さて、Rocksmith+のレッスンを作るのに必要なものは何だと思いますか? それは、作曲です! 幸運なことに、私たちの仲間の中には、音楽講師として何年もの経験を積んできた才能あふれる作曲家チームがいました。プラクティストラックの作曲は、リードやベースなどのアレンジを1つ作るだけでいいこともあれば、3つ作らなければいけないこともあります! プラクティストラックをたくさんプレイしていると、リード、リズム、ベースで同じ曲が流用されていることに気づかれるかもしれませんが、各パートがそれぞれ特別なものとなっており、特定のスキルに集中できるように作られています。

作曲が終わったら、すべてのパートを録音する必要があります。録音の対象としては、ギター、ベース、キー、ドラム、弦楽器、打楽器など、プレイヤーの耳に入るすべての音が含まれます。そして、録音した音声ファイルをミキシングチームに送り、数日がかりで適切なミックスを作ってもらいます。

次は、ノートトラッキングとプレイテストについてのお話です。曲の場合と同じように、プラクティストラックでも、テンポを念入りに作り、アレンジを編曲し、それらをフレーズに分割する必要があります。いずれにせよ、作った曲をノートウェイでプレイできるようにするのはとても楽しいです! このチームにいてよかったと思う瞬間のひとつですね。

レッスン動画そのものについても、お話しておきましょう。プラクティストラックの作曲者は、テクニック、運指、演奏の実例、プラクティストラック向けのコツなど、レッスン動画に含まれているべき情報を概要にまとめます。プレイヤーの皆さんに提供される「知識」のことです!

そして、プラクティストラックと知識の概要が出来上がったら、それらをRocksmith Discoverのチームに送り、プラクティストラック用のレッスン動画を作ってもらいます。ここでは深堀りしませんが、レッスンビデオの制作にもたくさんの作業工程が含まれていて、概要を原稿にしたり、映像を撮ったり、編集したりします。

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これで一通り完成し、レッスン動画とプラクティストラックを提供できるようになります。私の願いは、Rocksmith+を真にシームレスな学習体験として作り上げ、楽器のすべてを学び、好きな音楽が演奏できるゲームにすることです。どうかお楽しみください!

Greg StudleyはRocksmith+のリード音楽教育デザイナー。『A Guitarist's Guide to Improvising with Knowledge』『Essentials of Rhythm Guitar』『Speed, Accuracy, and Technique for Guitar』『Speed, Accuracy, and Technique for Bass』など、数多くの音楽教本を著している。

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