[R6S] MMR Header

2020731

マッチメイキング評価

マッチメイキング

MMRシステムの仕組みについては以前にも記事を投稿していますが、今回はその後の変更を反映し、「レインボーシックス シージ」の現状のシステムについて解説していきます。

仕組み

スキル

「スキル」はどれだけマッチに勝利できるかという能力を指します。2つのチームのスキルを比べることで、勝敗を予測することが可能です。スキルレベルの差が大きいほど、レベルの高い方のチームが勝利する可能性が高いことを意味します。スキルレベルが同等の場合、勝利できる確率は五分五分です。「レインボーシックス シージ」のアルゴリズムでは、各プレイヤーに対してスキル評価(μ)と評価の不確実性(σ)という2つの値を割り当てています。プレイヤーのスキルは、25前後(シルバー高域~ゴールド低域)を中心とした正規分布曲線を描く形となります。

不確実性

スキル評価は固定されたものではありません。基本的には、ゲームをプレイすればするほどプレイヤーの情報が集積され、評価の信頼度が上がっていきます。この信頼度を示すのが、不確実性値シグマ(σ)です。この値が低いほど、評価の信頼度は上がります。

スキルとMMRの繋がり

本作のリリース1年目の初期には、プレイヤーのランクを決定する要素の一部として、ゲームにどれだけ参加しているかも含まれていました。しかし、ランクによってプレイ体験に大きな差異があるため、この方式は混乱の原因となっていました。これを受けYear 1シーズン4以降では、スキルのみがMMRに反映される方式(MMR = 100*μ)に変わっています。また、クリアランスレベルがMMRに影響を与えることもありません。

MMRの更新

MMRはマッチの結果のみを反映して更新されます。この結果が予想外のものである場合(味方チームよりスキルの低い相手に負けた時など)、スキルの変動は大きくなり、順当な結果の場合は小さくなります。また、スキル評価の信頼度が高い(σ値が低い)ほど、変動は小さくなります。

簡単な例として、2人のプレイヤーによるHibana vs Pulseではどうなるのかを見てみましょう。この例における各数値は、実際のシステムで起こり得る変動とは異なりますが、現状のシステムを理解する上では問題ありません。Hibanaはゴールドプレイヤー(μ ≈ 29)であり、かなり長い間このレベルでプレイを続けています。また、Hibanaのランクは不確実性が低いため、σ ≈ 3となります。ここでHibanaがPulse(コッパーランクながら骨のあるプレイヤー)と対戦し、敗北したとします。不確実性が低いことをふまえると、Hibanaは純粋に実力で負けたのだと考えられます。この結果、彼女のスキルレベルは低下してμ ≈ 28となります。これは、対戦相手のランクが考慮された結果です。もしHibanaがゴールドランクの相手に負けていた場合、この値はμ ≈ 28.5に近いものとなります。ダイヤモンドの相手に負けた場合なら、μ ≈ 28.9となっていたでしょう。

一方、Pulseは比較的経験の浅いプレイヤーであるため、システムは彼をどの位置に置くべきか見定めようとします(μ ≈ 17、σ ≈ 6)。今回はTachankaのおかげでマッチに勝利しました。Pulseのスキルレベルは20に上昇します。また、Hibanaに勝ったことで、彼の方が優れたプレイヤーであるかもしれないという可能性が考慮され、Pulseの不確実性はわずかに低下します(σ ≈ 5.5)。今回Pulseのスキルレベル評価が大幅に上昇したのは、彼についての情報がまだ少ないこと、そしてHibanaの位置付けの信頼度が高かったためです。

統一MMR

地域の切り替えによるマッチメイキングの不正を防ぐため、Y5S2にて各プレイリストのマッチメイキング評価システムを統一したMMRに変更しました。これにより、プレイする地域によってMMRが異なるということはなくなります。ただし、マッチメイキングランキングは引き続きプレイリストごとに区切られます。

クイックマッチのプレイリスト

(旧カジュアル) [R6S] Quick Match

クイックマッチは、スタンダードなマルチプレイ用プレイリストです。初心者から中級者程度のスキルレベルのプレイヤーを対象に、公平な環境でプレイできるようになっています。 全てのプレイヤーが参加可能で、ランクモードのランキングに影響なく「爆弾」、「人質」、「エリア確保」の3つのゲームモードをプレイできます。

クイックマッチとアンランクマッチには同じMMRが用いられます。 そのため、一方での勝敗はもう一方のプレイリストのMMRにも影響を与えます。

ですがクイックマッチで用いられるMMRは、ランクマッチのMMRとは連携していません。 そのため、ランクマッチを主にプレイしてクイックマッチをあまり行わないプレイヤーの場合、クイックマッチのMMRには実際の実力が反映されないことになります。私たちは、これこそがクイックマッチのバランスに問題を感じる理由の1つではないかと考えています。現状のシステムでこれを回避するには、クイックマッチのMMRを時おり更新するしかありません。

私たちはこれまでにも、全てのプレイヤーにとって理想的なマッチメイキングを実現できるよういくつかの対策を試してきました。Y2S3以降、クイックマッチのマッチメイキングは、クイックマッチ/アンランクマッチ用の独自かつ非公開のマッチメイキング評価(MMR)に基づいて行われています。このクイックマッチ/アンランクマッチのMMRは、上述のシステムと同様の方法で決定され、クイックマッチとアンランクマック、双方での成績が加味されます。また、ランクマッチのMMRとは一切連携しておらず、本人も他のプレイヤーも評価を見ることはできません。

新規プレイヤーにはベースラインとなるMMRが与えられます。これは初心者のMMRと同程度のものに設定されています。開始点を低く設定することで、新規プレイヤーは自分と近いスキルレベルのプレイヤーと戦いながらMMRを上げていくことが可能です。MMRは勝利を重ねていくことで上昇していき、やがてそれぞれのスキルレベルに基づいた適切な位置に落ち着くこととなります。

アンランクマッチのプレイリスト

[R6S] Unranked Playlist

カジュアルプレイヤーと対戦プレイヤーではメンタル、プレイスタイル、個人的関係の感覚に至るまで大きな差異があります。そのため、クイックマッチからランクマッチに移る際に、圧倒されてしまうかもしれません。この溝をどうにかできないものかと考えた結果、Y4S3にアンランクプレイリストを実装しました。

アンランクはクリアランスレベル10以上の全プレイヤーが利用できるマルチプレイ用プレイリストです。ランクマッチのルールセットを踏襲しつつも、ランクマッチにある制限(後述)が適用されないプレイリストになっており、プレイヤーのランクおよびランクMMRにも影響はありません。アンランクではクイックマッチのマッチメイキングで用いられるものと同じ非公開MMRが使用され、同一システムに基づいてマッチングが行われます。競技性の高いゲームプレイを求めつつも、ランキングのプレッシャーは感じたくないという方や、ランクマッチで使用されるPick & Banなどのシステムに慣れておきたいという方にうってつけのプレイリストです。

アンランクマッチには、ランクマッチと違ってMMR制限がないため、参加資格となるMMRの条件を満たす必要はありません。加えてクリアランスレベルの条件も低くなっており、ランクマッチの参加条件を満たさないスクワッドに参加して、ラックマッチと同様のルールでプレイすることが可能です。

ただし、このプレイリストにはランクマッチのポリシーが適用されるため、制裁処分を受けた場合はランクマッチのプレイリストにも適用されます。

ランクマッチのプレイリスト

[R6S] Ranked *この分布はシーズンによって変動する可能性があります。

ランクマッチはレベル50以上のプレイヤーが参加できる、競技性の高いマルチプレイ用プレイリストです。このプレイリストでは、登場マップが絞られ、ゲームモードは「爆弾」のみとなっています。また、BANフェーズで使用禁止の攻撃オペレーターおよび防衛オペレーターを両チームが選択できます。

ランクマッチには23のスキルランクが存在します。このランクはプレイヤーのマッチメイキングランキング(MMR)に基づいて決定されます。MMRは、本記事の冒頭で説明した方式により、TrueSkillアルゴリズムが生成した数値スコアをもとに算出されます。プレイヤーのスキルランクを決定するには、まずランクモードのプレースメントマッチを10回完了する必要があります。

ランキングに影響を与える要素

MMRは次の要因により変動します。

  • ゲーム内におけるプレイヤー/チームの相対的なスキルレベル。
  • プレイヤーがマッチに勝利したかどうか。
  • HibanaとPulseの例のとおり、チーム間のスキルレベルの差が大きい場合、勝敗によって大きな変動が起こります。
  • ランクマッチを途中離脱すると、たとえチームが勝利してもスキルランク上は敗北としてカウントされます。
    • これにはマッチの放棄や放置行為も含まれます。
    • インターネット接続に問題が起きた場合も敗北としてカウントされ、チームが勝利しても勝利にはなりません。
    • いったん失われた接続が復旧した場合、マッチに再参加するかそのままペナルティを受けるかを選択することができます。

個人の戦績

スコア、キルデス比による個人の戦績は獲得ポイントに影響しません。 マッチごとに15キルしても、すべてのマッチで敗北しているのであれば、勝利する能力は極めて低いと判断され、ランクも相応に低くなります。これとは逆に、たとえキルできなくても、勝利数が多ければランクは極めて高くなります(勝利の鍵となる連携力に長けたチームである可能性があります)。チームに貢献する優れたプレイができていれば、長期的に見れば勝率が上がっていくでしょう。評価の対象となっているのは、こうした勝利へのポジティブな影響力です。

チーム内で生じる獲得/喪失ポイントの差異

2人のプレイヤーのスキルが同等である場合、システム上でそれぞれの順位付けにどの程度確実性があるかどうかがポイント量に影響します。例えば、両者共にゴールドIVであり、そのうちの片方がより多くのマッチをプレイしている場合(不確実性が低い)、プレイ量の少ないプレイヤーの方がポイントの変動が大きくなります。

スクワッドMMR制限

Y4S3以降、パーティーメンバー間のMMRの差に制限が設けられました。スクワッド内のプレイヤーの最高/最低MMRの差が1000を超える場合、ランクマッチには参加できません。スクワッドメンバーのMMRはサイドパネルのプロフィールで確認可能です。MMRが4400より高い(ダイヤモンド)プレイヤーは、MMRが3400より高い(プラチナ)プレイヤーとスクワッドを組むことができます。MMRが1200未満のプレイヤーは、MMRが2200未満のプレイヤーとスクワッドを組めます。 この制限にはブースト行為の効果を減らす意味もありますが、当然、マッチメイキング環境のバランス改善を促す意味もあります。

チャンピオンランク

MMRが5000に到達し、かつ100マッチ以上を完了しているプレイヤーは、チャンピオンランクとなります。基本的には他のランクと同じですが、このランクでは各プレイヤーの順位が分かるようになっているという特殊な点があります。チャンピオンランクに属するMMR上位9999人のプレイヤーは、ランクと共にその順位が表示されます。つまり、ゲーム内で最もMMRが高いプレイヤーはチャンピオンランクの1位として周囲に認知されることになります。

なお、現時点で上位9999人に入っていないからといって、ダイヤモンドに降格するわけではありません。MMRが5000を上回り、100マッチ以上を完了している限りは、チャンピオンランクに留まることができます。

MMRのソフトリセット

毎シーズンの最初には、MMRのソフトリセットと呼ばれるものが行われます。これは、全てのプレイヤーのMMRを中間層(2500MMR)と自身が獲得した前シーズンのMMRとの間の値にリセットする措置です。最大値は3500、最低値は1500となり、それを上回るか下回っている場合は、どちらかの値に固定されるというものです。これはプレースメントマッチにも適用されます。

Y4S2以前は、シーズン開始時に全プレイヤーを2500MMRにリセットしていました。変更を加えたのは、シーズン開始時のマッチメイキング環境を改善するためです。この変更により、プレイヤーが「真のランク」に早く到達できるようになり、「ダイヤモンド」相当のスキルを持っているプレイヤーが短期間で「ダイヤモンド」ランクに昇格できるようになります。一部、特にダイヤモンドの中でも最上位に名を連ねているプレイヤーの中には、地道なプレイによるランク向上を望む方もいるかもしれません。こうした要望にもお応えできるように、将来的にそういった要素を取り入れる方法の検討も進めています。

シーズンチャーム

毎シーズンの終わりには、そのシーズンでの最高到達ランクに基づくチャームを受け取ることができます。

たとえばダイヤモンドランクに到達してからゴールドランクに降格した場合でも、ダイヤモンドランクのチャームを獲得可能です。

ただし、極端なMMR変動が理由でMMRのリセットが行われた場合、リセット前の最高ランクに基づくシーズンチャームは受け取れません。

MMRロールバック

この機能について

この機能は、チート使用者が他のプレイヤーのシーズンランキングに与える長期的な影響を減らすためのものです。

この機能により、制裁措置を受けたチート使用者がシーズン中に参加していた全マッチでプレイヤーが獲得または失ったMMRが無効となります。また、チート使用者が参加していた全てのパーティーのゲームも無効化されます。

ロールバックの結果、進行中のシーズンにおける最大MMRを超えるMMRが付与されることはありません。

MMRロールバックについての詳細は、この記事内で紹介されています

ブースト行為への影響

MMRロールバックには、ブースティングサービスおよびアカウントのブーストを試みるチート使用者、あるいはその他の方法でランクシステムに不正を行うプレイヤーへの対策という側面もあります。ですが、こうしたチート使用者がBAN処分を受けると、ブーストされたアカウントのMMRはロールバックによって極端に変動します。これはシステムに大きな異常をもたらし得る危険な現象です。そのため、Y4S3.3以降はMMRに極端な変動のあったプレイヤーのMMRをリセットするようになりました。

つまり、MMRに極端な変動のあったプレイヤーは、本来のランクに戻るためにプレースメントマッチをやり直すことになります。また、MMRのリセットを受けた場合、リセット前の最高到達ランクに基づくシーズンチャームは受け取れなくなります。

ロールバックの条件

現状のロールバックシステムは、BAN処分を受けたチート使用者の参加していた全てのゲーム(勝利および敗北)が取り消される仕様です。他の方式もいくつか検討しましたが、データを分析した結果、チート使用者の影響力を減らしつつ安定したMMR環境を維持するには、全ゲームの無効化が最も有効と判断しました。

タイミング

チート使用者の検出方法およびその後のBAN処分プロセスの都合上、具体的にどのマッチでチート行為が行われたかを正確に特定することはできません(発覚前にチートのオン/オフを切り替えている場合など)。そのため、期間を限定したMMRリセットも検討し、シーズン全体ではなく直近7日間のリセットという方式も試してみました。

しかし、結果にはばらつきが大きく、問題を十分に排除できたのか判断がつきませんでした。この結果を踏まえて、チート使用者の影響をより確実かつ最大限に取り除くため、該当プレイヤーがシーズン中に参加した全てのマッチのMMRをリセットするという方式が採用されています。

MMRロールバックの調整

ゲームを正当に楽しんでいる大部分のプレイヤーにとって、このシステムはかなり不満度の高いものであることは認識しています。

そこで、Y5S3期間中のいずれかの時点で、このシステムでポイントを受け取れるMMRの上限をシーズンにおける最大MMRからさらに一定量増加させることにしました。この調整により、プレイヤーがシーズンにおける最大MMRに達している場合でも、それなりの補償を受けられるようになり、ニュートラルなMMR調整(受け取るポイントが0の状態)となる事態を大幅に減少させることができると考えています。

仮に、シーズンにおける最大MMRを超えて獲得できるポイント量を10とした場合(実際の数値は未定です)、 現行シーズンにおけるプレイヤーの最大MMRが3000であれば、MMRロールバックによってポイントを返還されたとしても、MMRが3010になるまではポイントを受け取れるようになります。 この調整によってMMRの仕様がどのように影響を受けるか、また、追加のMMRポイント量(上述の10というのはあくまでも仮の数値です)について、皆さんからのフィードバックとデータをもとに調査を進めていきます。

具体的な日程が決まり次第、また改めて詳細をお知らせします。

今後の予定

現在のMMRロールバックについては、不満の声も寄せられています。チート使用者に対する勝利が帳消しになることや、シーズンピークより多くのMMRが得られないことに不満を感じる方がいるのは私たちも理解しています。そのため、チート使用者がマッチに及ぼす影響を排除しつつも、そうした不満を軽減する方法はないかを調査するために、MMRロールバックのシステムを再検討しようと考えています。

また、マッチメイキングランキングはシステム全体が非常に複雑なものとなっています。そのため、マッチバランスに問題があり、公平ではないと感じるプレイヤーがいることも理解しています。ですが、待機時間を短くしつつ、全てのプレイヤーにバランスの取れたマッチメイキングを実現することは容易なことではありません。私たちは今後もシステムと各機能の改善に取り組み、最高のマッチメイキングを実現できるように努力を続けてまいります。

皆さまからのフィードバックは、常に私たちにとって非常に大事なものです。マッチメイキング評価システムやMMRロールバックに関する感想や改善など、皆さんの声をぜひお聞かせください。TwitterReddit公式フォーラムで皆さんのご意見をお待ちしています。