2022128

Y7S4 ランク2.0アップデート

新しいランクシステム

これまでのランクシステムは純粋なスキルシステムで、スキルとランクに影響するのはMMR(マッチメイキング評価)という1つの値だけだったため、ランクシステムに変更を加えると、スキルとマッチメイキングの両方に影響が生じていました。

変更点

これまでのMMRをスキルとランクに分割します。

スキル

スキル(これまでのMMR)はマッチメイキングに影響する非表示値となります。

「スキル」はどれだけマッチに勝利できるかという能力を指します。2つのチームのスキルを比べることで、勝敗を予測することが可能です。スキルレベルの差が大きいほど、レベルの高い方のチームが勝利する可能性が高いことを意味します。スキルレベルが同等の場合、勝利できる確率は五分五分です。『レインボーシックス シージ』のアルゴリズムでは、各プレイヤーに対してスキル評価(μ)と評価の不確実性(σ)という2つの値を割り当てています。

不確実性

スキル評価は固定されたものではありません。基本的には、ゲームをプレイすればするほどプレイヤーの情報が集積され、評価の信頼度が上がっていきます。この信頼度を示すのが、不確実性値シグマ(σ)です。この値が低いほど、評価の信頼度は上がります。

スキルの変動

この新システムによるプレイヤーのスキルの変動に変更はなく、スキルはマッチの結果のみを反映して変動します。この結果が予想外のものである場合(味方チームよりスキルの低い相手に負けた時など)、スキルの変動は大きくなり、順当な結果の場合は小さくなります。また、スキル評価の信頼度が高い(σ値が低い)ほど、変動は小さくなります。

2人のプレイヤーを用いた簡単な例を見てみましょう。登場するのはHibanaとPulseです。この例における各数値は、実際のシステムで起こり得る変動とは異なりますが、現状のシステムを理解する上では問題ありません。Hibanaはゴールドプレイヤー(μ ≈ 29)であり、かなり長い間このレベルでプレイを続けています。また、Hibanaのランクは不確実性が低いため、σ ≈ 3となります。ここでHibanaがPulse(コッパーランクながら骨のあるプレイヤー)と対戦し、敗北したとします。不確実性が低いことをふまえると、Hibanaは純粋に実力で負けたのだと考えられます。この結果、彼女のスキルレベルは低下してμ ≈ 28となります。これは、対戦相手のランクが考慮された結果です。もしHibanaがゴールドランクの相手に負けていた場合、この値はμ ≈ 28.5に近いものとなります。ダイヤモンドの相手に負けた場合なら、μ ≈ 28.9となっていたでしょう。

一方、Pulseは比較的経験の浅いプレイヤーであるため、システムは彼をどの位置に置くべきか見定めようとします(μ ≈ 17、σ ≈ 6)。今回はTachankaのおかげでマッチに勝利しました。Pulseのスキルレベルは20に上昇します。また、Hibanaに勝ったことで、彼の方が優れたプレイヤーであるかもしれないという可能性が考慮され、Pulseの不確実性はわずかに低下します(σ ≈ 5.5)。今回Pulseのスキルレベル評価が大幅に上昇したのは、彼についての情報がまだ少ないこと、そしてHibanaの位置付けの信頼度が高かったためです。

ランク

一方、ランクは対戦のランキングを示すものです。ランクは、マッチごとにランクポイント(RP)によって変動します。マッチごとに獲得できる、または失うRPはスキルとランクの差に比例して変化します。

また、上位ランク帯の急勾配を緩和するため、プラチナとダイヤモンドの間に新たなランク「エメラルド」を導入します。

いくつか例を見ていきましょう:

プレイヤーAは、今シーズンからプレイを始めたばかりのチャンピオンプレイヤー(スキル+5000)です(ランク:コッパー5)。スキルのリセットがなくなったため、Aはシーズンの初めからスキルが同等のプレイヤーとマッチングされますが、スキルとランクに大きな開きがあるため、Aにはマッチで勝利するたびに多くのRP(Y7S4では最大80 RP程度)が与えられ、スキルにふさわしいランクにより早く到達することができます。同様に、Aはランクとスキルが大きく乖離しているため、マッチに負けても失うRPは最小限となります(Y7S4では最小で-9 RP程度)。Aのケースでは、実力がランクに反映されるまでの間のRPの変動は以上のような状態が続き、ダイヤモンドランク辺りから獲得RPが減り、失うRPが増えていきます。

プレイヤーBはシルバープレイヤー(スキル2200)で、今シーズンからプレイを継続し、シルバーIIまでランクを上げています。Bはスキルに見合ったランクに位置しているため、マッチに勝利すると40 RP程度を獲得し、敗北すると30 RP程度を失うという標準的な変動となります。プレイヤーが常に高いランクを目指し、シーズンを通して向上できるようにするため、標準的な勝利と標準的な敗北に差を設けています。実力に見合ったランクに到達したプレイヤーは勝率が50%程度になると考えられるため、このプレイヤーにランクがただで与えられるわけではありません。しかし、勝利のためにプレイし続ければ、前シーズンよりも高いランクでシーズンを終え、結果として多くのリワードを獲得することができるでしょう!

ランクアップ

マッチ終了時に十分なRPを獲得すると、次のディビジョンに上がることができます。ディビジョンを1つ上げるためには100 RPが必要になります。

ランクダウンと降格猶予

マッチに負けてRPが0を下回った場合、これまでは1つ下のディビジョンやランクに降格していましたが、今後は、RPが0になる降格猶予という新システムが導入されます。これは、マッチ開始時にRPが1以上の場合のみ適用される措置で、RPが0の状態でマッチに負けた場合は、これまでと同様にランクダウンします。

プレースメントマッチとスキルリセットの廃止

新システムの導入に伴い、シーズンごとにスキルがリセットされなくなるため、シーズン開始時に各プレイヤーのスキルを把握するためのプレースメントマッチも廃止となります。

これまでのランクにおいて、プレースメントマッチは意図したように機能していませんでした。これまでは、スキルをリセットしていたことによって、新シーズン開始時に各プレイヤーのスキルを推定するためのシステムが必要でしたが、正確な推定をする時間が不足しており、この目的を達成するには精度が非常に低いものとなっていました。
たとえば、ランクマッチを始めたばかりのプレイヤーが、プレースメントマッチでたまたま好成績を残した場合、そのプレイヤーは本来の実力よりも高いランクに配置され、自分よりもはるかに経験のあるプレイヤーと対戦し続けなければならなくなるというストレスフルな状況に陥ってしまっていました。同様に、スキルが高いプレイヤーが、運が悪かったり調子が悪かったりして、プレースメントマッチで実力を発揮できなかった場合、本来のランクに戻るまで下位ランクの秩序を乱してしまうことになっていました。

スキルのリセットを廃止することで、シーズン開始時においてもスキルレベルが明確になり、実力が同等の相手と対戦できるようになって、マッチメイキングの質の低下を防ぐことができるでしょう。

ただし、ランクはシーズンごとにリセットされるため、シーズン開始時には全員がコッパー5からランクを駆け上がっていかなければなりません。

フレンドとのプレイ

今回から、フレンドとの対戦を妨げていた「スクワッドMMR制限」が廃止されます。

スクワッドMMR制限は、システム上の悪用を防ぐために導入せざるを得ない機能であり、『レインボーシックス シージ』をフレンドとプレイできることの重要性を軽視していたわけではありません。スキルとランクを分割したことで、今後はシステムの悪用を防ぐためのさまざまな対策を講じながら、フレンドとのプレイが楽しめるようになりました。

この新システムによって、プレイヤーの皆さんのゲーム体験がより良いものになることを願っています。今後もモニタリングを継続しつつ、不正があった場合は新たに手に入れた対策のオプションを行使していきたいと考えています。

新システム導入の意義

今後のランクでは、目標に向かってより着実にステップアップすることができるでしょう。ただし、ランクが本来のスキルに近づくにつれて、マッチ後の変動は少なくなります。

『レインボーシックス シージ』が採用しているシーズン制において、この新システムは、ランクが上がったり下がったりすることを繰り返すことなく、より確実に目標に向かって進んでいくためのものになると確信しています。

今後の展開

ランクにもたらされるこの最初の変更によって、より活気のある対戦システムを構築するための基礎を築き、これまでのエコシステムに影響を与えることなく、ゲームを改善することができるようになりました。ただし、これほど大規模なシステムを実装した際に何が起こるかを予測することは困難なため、S4でこの新ランクのモニタリングを行いたいと考えています。もちろん、シミュレーションは実施済みですが、現実はシミュレーション通りには進まないものです。皆さんからのフィードバックもお待ちしています。

新ランクは、システムを再構築することなく容易に微調整ができるように設計されているため、今後のシーズンでの調整や変更によるさらなる改善にもご期待ください!

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