2016 January 14

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For Honorのアート:Citadel Gate

この「For Honorのアート」シリーズの新しい記事ではアートチームがFor HonorのCitadel Gateマップを制作する過程で取った制作のプロセスを段階別に解説します。

Citadel Gateは広大な聖地で、中には危険な塁壁や高い崖、幅が狭い木の橋などがあります。これがE3ので公開された場所です。

Citadel Gateの着想はどんな所から得たか、マップはどのように構築されたか、その制作者であるコンセプトアーティストのMaxime Desmettreが解説します:
Citadel Gateは私たちが制作した最初の公式マップです。つまり私たちが目的とするグローバルアートディレクションを明示するという課題があったため、様々な形や建造物の部品、スケールなどの最適なバランスを見極めるために試行錯誤を繰り返さなくてはなりませんでした。当初のコンセプトは巨大なダムと、正面から攻めることは不可能な高さにある、崖の上に建てられた砦でした。初期のフェーズではまだゲームプレイ上求められることについてあまり考える必要がなかったため、あまり制約は感じずに進められました。このステージでは、目標は可能なことの範囲を絞り込むことでした。

そのため、私はまず塁壁や周りの壁など、マップのファンタジーを代表する要素や砦のスケッチを描き始めました。こうした要素が後に加えられた要素と共に、この場所のアイデンティティに貢献することとなりました。

SanctuaryWalls_SketchesProposal_Final
For Honor のアートディレクターChristian Diazといくつかの方向性を活かすか捨てるかについて検討を行った後、アイデアが固まり始め、デザインをもっと深く掘り下げる作業ができるようになりました。

SanctuaryWalls_FinalSketches_Final
壁の要素が決定したら、今度は砦のグローバルビューを決定する段階です。

この部分では昔ながらの手法で、Adobe Photoshopを使ってフリーハンドで自分が思い描く形を描き始めました。コンセプトのプロセス初期で既存のデザインに影響を受けたくなかったため、この時点では写真資料は参考にしませんでした。

RockSanctuary_GlobalSketch_WiP_Final
これは前のコンセプトスケッチに基づいて色の雰囲気を決めたものです。威容を誇る砦を中心に据えることを心がけました。この段階では、ヨーロッパ北部に実在する城や砦の資料が大いに役に立ちました。

PlainSanctuary_KeepMood_Final
こちらはシーンの3Dモックアップです。これについてはレベルアーティストが構築し、レベルデザイナーがゲームプレイやナビゲーション、戦闘に適したボリュームを設定してくれました。これがコンセプトアートの次のフェーズ、すなわち様々な制約の中で形の詳細を決め、私たちが求める雰囲気を作り出すフェーズにつながりました。

下の画像は画像#3の初期のスケッチにあった塁壁のアームの最終過程です。

MVP_RampartWalls_Final
下の画像は実際にアクションが行われている中庭のムードショットです。

CourtyardsBattle_Final
マップのデザインでは小物も戦場のファンタジーを作り上げる大事な要素です。例えば下のカタパルトがそうですね。

Catapult-Small_Sketch_Final
For Honorのマップのいくつかで中心となる城は、歴史的な要素に合わせるためというよりは、何らかの感情や、湧き上がる力、壮大さや偉大さの感覚を喚起するためにあります。このような設定のため、チームは史実に囚われることなく、こうした建築物がゲーム内で果たす機能(例えば中庭よりも塁壁)に集中することができました。そうは言いつつも、攻撃や風化に耐え得る、リアリティのある構造を作るよう、現実的なアプローチを心がけました。

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